善水寺 (ぜんすいじ) 湖南三山 岩根山善水寺

 滋賀県湖南市岩根3518







今は新しい道、国道一号線平松交差点から北上すると日帰り温泉施設「十二坊温泉ゆらら」がある。岩根山その標高405mを三尾 といい、東・清涼山を東尾、西・十二坊山を西尾、善水寺を中尾といったという。塔頭が十二あったという峰を廻るように善水寺はある。


奈良時代和銅年間、元明天皇勅命により鎮護国家の道場として創建され、名を和銅寺と称した
。延暦年間、伝教大師最澄は比叡山 を開創し、堂舎建立の用材を甲賀に求められた。材木を切り出し横田川(現在は野洲川)の川岸に筏を組みいざ流すことになったが 日照り続きのため河水少なく思うように材を流すことが出来なかったという。


大師、請雨祈願のためその地を探したところ岩根山中腹より一筋の光がみえ、その光に誘われるまま当地に登り山中に堂、その東に 百伝池(ももちいけ)あり、池中より閻浮檀金の薬師仏を勧請され、本尊として請雨の祈祷を修すること七日間、満願の日に大雨一昼 夜降り、流れの勢いのまま材は川を下り、琵琶湖対岸比叡の麓に着岸したという。

のち、京の都で桓武天皇御病の際、大師が霊仏出現の池水を以って薬師仏の宝前にて病気平癒祈祷修すること七日間満行なってこの 霊水を天皇に献上したところ御病平癒されたことにより「善水寺」の寺号を賜ったという。























国宝本堂は木造平屋建入母屋造桧皮葺、桁間七間、梁間五間という堂々としたものである。南北朝時代再建というから歴史を感じますね。形式は天台密教仏殿となり、前二間が外陣(礼堂)、中二間が内陣(正堂)となり、本堂周囲は内開きの蔀戸(しとみど)となっている。


丁度春の展示が行われ、金銅釈迦誕生仏が折りよく展示されておりました。本尊には薬師仏、内陣裏には梵天、帝釈天、文殊菩薩像、兜跋毘沙門天、そして不動明王が安置されて、それらは総て重要文化財と指定されている。


住職さまと思われるが、皆さんに丁寧にご案内、ご説明されておられました。これだけの仏教宝物を管理するご苦労に感謝ですね。

























観音堂の東南には大きな巨石がありました、不動の大岩というのだそうです。19尺×18尺×27尺というからにはかなりの大きさですよ。側面には魔崖不動明王がありました。文亀四年というか室町期と考えられる。









善水寺のホームページ
http://www.zensuiji.jp/ です。


inserted by FC2 system