善勝寺  (ぜんしょうじ)  繖山 善勝寺    曹洞宗 


 滋賀県東近江市佐野町909   







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国道八号線も愛知川(えちがわ)を過ぎる頃となれば五個荘町(ごかしょうちょう)となり、右手に小高い山並みが見える。繖連山である。頂に観音正寺、麓にその塔頭教林坊、そして西側中腹に桑実寺が、東に石馬寺と古刹が点在する。善勝寺はその繖山の北に位置する曹洞宗の寺院である。

愛知川を渡って道を右にを折れ、車を能登川駅方面に向ける、手前を左へ走ればいいのだが…標識が見当たらなかった。それでも地図を頼りに細い道を山に走ってみたところ、坂道を少しほど上がり詰めたら鐘楼を兼ねた山門を見つけた。
真夏の暑さも、こうした山腹の寺は結構涼しい風が肌をよぎり気分のいいものである。石段を登り山門をくぐってみると正面に本堂がどしんとした姿勢で建っていた。土砂崩れで本堂が埋まり、現在は観音堂が本堂となっているとのことである。本堂に上げていただき、お茶を頂戴しながらの住職のお話は一服の安らぎを覚えるのであった。


寺伝に拠れば、聖徳太子草創(この辺りには結構多い)霊場で、当初は釈善寺と号する天台寺院である。坂上田村麻呂東征勝利にちなんで寺号を現在の善勝寺と改めたのだという。
江戸中期の地誌「近江興地志略」によれば、もとは七十余坊を擁する大伽藍であったが、元亀年間信長の法難にて焼失した。以来、曹洞宗に転じて今も優しい老僧が寺を守っておられる。


ご本尊十一面観音は秘仏であるそうだが、老僧から頂いた冊子にその写真が掲載されていた。一木造りの立像で、元来彩色されていたのだろう薄っすらと朱が口元に残っているようにみえる。金銅の宝冠、白毫を表したやさしい相好、女性的ともおもえる体に瓔珞が若々しさをみせる。
本堂の簾に「諸悪悪作 衆善奉行」と記した幡があった、それはまさしく仏教の要諦である。
































 寺の地図
http://map.goo.ne.jp/map.php?MAP=E136.10.27.940N35.10.15.960


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