龍王寺 (りゅうおうじ)  雪野山龍王寺(野寺)  天台宗 


   滋賀県蒲生市竜王町川守41番地







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近江は司馬遼太郎が街道を行くにて「あわあわの国」として最初に取り上げられたところでもある。また、白州正子が「かくれ里」として近江山河抄でも書かれていた場所でもあった。
背後に山をいただいた寺、山寺でもないそうした寺には市井の寺には無い静けさや畏れを感じるのは私だけであろうか。仏教が山岳信仰を併せ呑む畏れとでもいうのであろうか…。誰かがいっていた『なにものか おわしますか知らねども おりがたくて 涙こぼるる』だったか?

現在ではそうした自然への畏れも感じさせないほどに、国道、県道、名神高速道、JR東海道線、草津線、東海道新幹線、近江鉄道と縦横に走っており、神仏も静かにしておられないであろうか。


行基は国内に四十八の寺建立の発願をされたという、その十三番目に雪野寺(野寺)としてこの寺を建立されたという。往時には背後雪野山に十数坊が建ち並び学僧が天台の教えを学んだと謂われる。

国道八号線、近江八幡東川の信号を東に入り、日野川の支流祖父江川の里に弓削(ゆげ)の部落がある。史実はわからないが道鏡と何か関係でもあるのであろうか…、考えながら通り過ぎた。日野川に沿ってはしると「雪野寺古墳群」の道標が見えた。

天台三尊形式は中央に薬師如来、左右に日光、月光菩薩と並ぶ。この龍王寺は薬師瑠璃光如来という。昔から秘仏であり、数年毎のご開帳をされていたというが、近年は拝観の方々に全てを観ていただこうということから開扉されて目近で観られるのが嬉しかった。
脇に十二神将が居並び医王を守るという荘厳さを感じるものである。そしてわざわざ出て来られて説明をしていただいた老婦人(庫裡様か?)のお心に感謝である。

それにしてもこの地方の寺を守るという風土、仏を守るといおう心の美しさを肌で感じながらの拝観であった。こんなところにも近江の旅の楽しさを憶えるのである。
































 寺の地図
http://map.goo.ne.jp/map.php?MAP=E136.8.46.650N35.4.8.710


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