龍光院・中禅寺

塩田平は上田市の南西に広がる東西五㌔、南北二，五㌔のちいさな平らだが、土地が肥え降水量は少ないものの気候がよいため、米麦二毛作が行われるほど生産力が高かった。
古代～中世の国道、東山道と、越後に通じる東山道支道が近くを通り鎌倉直結の鎌倉街道をも通じて、産業の発達とともに富みも蓄積されていた。そして、静かな山里のたたずまいをみせる塩田平の奥まった地にある「別所」温泉は、もともと「別荘」からきた言葉でもあり、暑気と湿気の高い鎌倉の夏を避ける温泉付の避暑地として鎌倉武士の憧れの地であったともいう。

鎌倉時代塩田北条氏は信濃一の規模を誇る城館を築いていたといわれる。独鈷山を背にし北条氏の祈願寺である前山寺と、菩提寺である龍光院が存在し、眼下に城下町と広大な田畑が広がっていたという。