初夏の空もどこか不安定な模様をていしてきていた。天台宗の寺を探し回っていた私は、近くにこのような立派な寺があるとは気が付かなかった。国道２１号を走ってみると解るのだが、南宮大社の標識だけが見える。今回真禅院をネットで見つけて早速訪問することにした。

国道を逸れて参道に入ると正面に大きな鳥居が見えるのだが、その前を新幹線が通過して行く。南宮山・朝倉山麓の静けさを引き裂いていくのである。南宮大社は美濃の国府を北に見て建立されての社である。この南宮山からはいろいろと鉱物が採掘されていたという、工夫の安全を願って神が降臨されたと記されている。この日は折しもお田植え神事が行われるとのことであった。境内ではその用意が敷かれ、神官が履く木靴も整えられていた。可愛い女の子達が着飾っているのを楽しく見ながらあとにすることにしたが…。真禅院はすぐ横道を数百メートル離れたところにある。


真禅院の石階段は綺麗に掃除されいた、どうもこの寺院はたくさんの方々が奉仕されているようだ。天台の寺院は本来檀家がいないので、由緒ある寺院が荒れるにまかせている部分も感じらるのだが、この庭は綺麗にされていた。

整然と配置された諸堂は、本堂には阿弥陀如来像が、観音堂には十一面観音像、護摩堂には不動明王、三重塔には大日如来が各祭祀されているということである。そのほかにも釈迦堂、薬師堂などが配されゆっくりと拝観したいものである。
(後日、院主様とメールをしたところ拝観させていただけるとのご返事をいただきました。なんとかまたお願いしたいと思っているところです)

幸いにも私は比叡山の無堂寺などへ行くことから不動明王への真言だけは言うことが出来る。静かな境内で三度不動真言を唱えさせていただきました。何故かそんなことだけで心が穏やかになるのです…。