蓮華寺  (れんげじ)  八葉山蓮華寺  浄土宗 (元・時宗一向派)
  

 滋賀県米原市番場511   







近江の南端から伊吹山にかけて屏風のようにのしかかる鈴鹿の嶺は長大な山脈でもある。南は伊賀・伊勢に接して、北には美濃に接しているので険しいわりには峠道が縦横に通じており、その数は三十にも余る古道が通っているという。

今ではその険しさも高速道路が走り、何の感慨もなく過ぎ去ってしまうの本当の表情はつかめない。それに引き換えて、旧道はそこに住みついている人々の匂いがあって目的地に着くまで様ざまなことを教えてくれる。時に道中を楽しみすぎて、すっかり予定が狂うこともあるが、それはそれでおもしろいことでもある。

国道21号線と長浜から彦根への国道8号線と交わる手前の信号に網笠姿の銅像立っている。車で走りすぎれば余り気が付くというほどの像でもないが。もちろんのこと高速道路を走れば見つけられない。この信号は「番場」という・・・。長谷川伸のあの番場の忠太郎の番場であった。
旧街道・中仙道の番場の宿は名神高速道と北陸高速道のジャンクションの下に隠れるようにあった。

創建は1300年前、聖徳太子が法隆寺と称して建立ということだが、落雷により焼失したという。弘安7年(1284)法然の法曾孫である一向上人が諸国行脚の錫を留めて念仏宣布して民衆を化導せられるという。堂宇を再興し「八葉山蓮華寺」として開山、歴代天皇の帰依よろしく、花園天皇より勅願寺としての勅許を賜り、寺紋として菊の紋を下賜されたという。
本来は時に時宗一向派大本山として隆盛を極めたという。後に浄土宗に帰属し現在に至るとのことだ。
本尊は阿弥陀如来と釈迦如来という立派な光背を持つ立像が祀られていた。

この蓮華寺には巨木が二本あった。一本は本堂横手の庭園越しに見える高野槙である。私はこんな大きな高野槙は初めてであった。
他方、本堂裏手には樹齢700年といわれる杉で、「一向杉」といわれるのであった。開山一向上人が遷化され荼毘にふされた跡に植えられた杉ということだ。高さは約30メートル、樹の周囲5メートルを超えるという巨木であった。
















































 蓮華寺の地図
http://map.goo.ne.jp/mapb.php?MAP=E136.19.7.500N35.18.34.650


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