霊水寺 ( れいすいじ )   龍臥山霊水禅寺   曹洞宗 
  

    滋賀県米原市梅ケ原118 





 


龍の臥す 山田の早苗 青やかに 霊(あや)しの水の絶ゆる 日ぞなき』

滋賀県坂田郡米原町梅ケ原、湖北の南端に位置する梅ケ原の山深い地に禅の叢林があった。深山幽谷にて権力に近寄らずとは高祖承陽大師(道元禅師)が師如浄からの教えでもあった。同じ禅宗である臨済とは全く違った生き方でもあった。曹洞宗(そうとうしゅう)は本来威儀即仏法(いぎそくぶっぽう)とし、只管打座にて法を知る宗旨である。臨済宗の看話禅に対して曹洞宗は黙照禅とも謂われて只ひたすらに座禅する。現在は曹洞宗でも問答などをしているようであるが、道元は只管座禅三昧の生活であり、それは祖達磨大師の面壁にも似るものでもあった。

幾度となくも通っている米原の地にこのような禅の地があるとは全く知るよしもなかった!番場に一宇があるがどうも格式が高くらしく拝観無用とばかりに門を閉ざしているところが有るにはあるが…。
国道から細い村道をずんずんと入っていくのだが、民家も途切れて心無しか心配になってきた頃、突然に杉間に堂宇が見えてホッとした。石標を横に見ながら木間を入ってみるとシーンと静まり返った境内に人気も感じられない。
本堂なのか・方丈なのか?開扉されている…! 兎に角庫裡に声だけでもかけてみようと呼んでみた。

自由に上がっていいですよ!とのお言葉に感謝しながら堂内に上がらせていただく。江戸初期曹洞宗方丈型本堂とのことらしく、本尊はやはり釈迦牟尼仏である。書院と座禅堂が併設してあるようで、単座が整然と並べられて禅の空間を観ることができた。書院裏の庭は手入れがしてあり、友人の庭師I君に見せてあげたいと思ったりもしたのだが…。

その昔平安時代の頃には天台宗という、行基作と伝える柏材木彫等身大十一面四十手の千手千眼観世音菩薩像を秘仏本尊として祀る寺であったという。幾多の変遷を経てこの姿を見ることは稀であろうことは想像できる。

境内の一角に藤棚を造り席が設えてあった。陽射しを遮って涼しい風が嬉しい!静かな時間が心地よい!夏もいよいよ過ぎていこうとするのがわかる。近江にも、ましてやこんな近くにもいい寺があった。

























































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