園養寺  (おんようじ)  華蔵山 園養寺    天台宗 


 滋賀県湖南市三雲11   







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国道1号線から三雲駅に入り、野洲側沿いに車を進める。長閑な川原を眺めながら甲賀飯道山の麓、野洲川と並行してJR草津線が通っていた。一瞬細い道となった頃から笹に囲まれて走ることになったがそれは風情を感じる道でも有った。

鉄路を真横に見る場所に出ると園養寺の白い看板が目に飛び込んできた。車を置くのだが、いわゆる境内に入る玄関、或いは総門が無い。どうもそのJR草津線の開設に依って塞いでしまったということらしい。即ち、聖と俗の結界はその鉄路を跨ぐという現代的とでも云うか、一風変わった気持ちにさせてくれた。
石柱に「本尊大日如来」とある。また近江観音巡礼三十二番札所でもあるそうだ。

真っ直ぐ登る石階段は約百段弱か、山腹の山門をくぐった台地に堂宇はあった。春にはさぞかし綺麗に咲くのであろう両に桜の木々が植えられている。

伝教大師最澄は延暦寺造営のため近在からたくさんの木々を伐採したり、石材を伐り出した。しかし難所といわれるこの辺りで牛車と供も大変苦労したと伝わる。そこで大師はこの地に大日如来を安置せしめ、その安全を願われたのが始まりという。

単層瓦葺の本堂は瀟洒なつくりであった。庭のツツジやさつきの手入れはされて無住寺とは思えないほどであった。江戸時代二百石の寺領も明治維新後はすべて没収されて、以来繁栄の道は断たれてひっそりとたたずんでいる。石像役行者は別名神変大菩薩といわれ甲賀の人々に今も信仰されて篤く祀られていた。

本堂横から少し回って出ると鐘楼がある。山の中腹でもあろうか眼下に近江の平野の中、三雲、貴生川にかけて見渡すことが出来た。
江戸時代の園養寺は水口藩、甲賀の忍者、そして東海道を往来する旅人の動向を探って幕府に報告するという任務を背負っておたというが、うなづける位置でもあった。
































 園養寺の地図
http://map.goo.ne.jp/map.php?MAP=E136.7.49.130N34.58.15.200 です。


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