日龍峰寺  (にちりゅうぶじ) 大日山 日龍峰寺 真言宗
  

 岐阜県関市下之保4560   







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五世紀前半仁徳天皇時、飛騨の国に両面宿儺(りょうめんすくな)という豪族が権勢を誇っていたという。都にあがり天皇と対面し帰路の時、美濃加茂ヶ原で休憩していると、何処からともなく鳩二羽不思議なさえずりをして高沢の峰に飛び去った。里人にその不思議をたずねると「高沢の山脈に池あり、神龍住みて近郷の村人に危害を及ぼす」と聞き、峰に登り、陀羅尼を唱え神龍を退散させ、後、この峰に寺を開創したという。龍神伝説が息づく山上の聖地であるらしい。既存の山岳信仰に鎌倉時代の観音信仰が遷されたものであろう。

美濃の里も、今では東海環状高速道が容赦なく横断して静けさを奪っている。アクセスがいいからといって瞬時に里山へ下りられては本当の里山を理解するとは言えまい。
木曽川を眼下に見ながら中濃大橋を渡り、美濃路の入り口井深の里を越す頃になると風景は一変するのである。山懐の村々を縫って走ると平成村の手前であろう津保川沿いに進む。途中左折して山道を走ること数分、ゆっくりと登り道を行くのだが、海抜3百m弱高沢山の山頂に日龍峰寺はある。


駐車場に車を置いて山道を少し歩く、途中に山門はあったのだが車の置き場所なく石階段をかなり歩くようでもあったので、まずは上の駐車場まで来てみた。
作りが新しそうな鐘楼があり、中に入ることができたので内部に上がってみた。寄進されたその鐘は重厚なものでもある。その上から山内を見渡すと、不動堂、薬師堂、神殿、そして多宝塔へと続いている。

鎌倉時代になるの多宝塔は下部にやや傷みがみえるが、綺麗な九輪や美しく描かれた軒ぞりは七百年余の歳月が過ぎているという。
そして本堂は五間入母屋造り桧皮葺、山頂傾斜地の岩上に懸崖舞台造りとなっている。その上部に宮殿といわれるところに本尊千手観世音菩薩が祀られている。宮殿?、所々に神殿やら、白山鎮守が鎮座してこれも神仏混淆の表れでもあろう。

本堂裏には源頼朝分骨埋葬されたといわれる宝筺印塔(ほうきょういんとう)が小さく建っていた。また祠(ほこら)のような岩肌から湧き出る水は霊水と言われているようだ。こんなところが如何にも真言密教の寺という感じがしないでもない。

帰りの途中、見晴台にような場所があった、イスに腰掛けて見渡すと、飛騨、美濃、伊吹、養老の連山が美しく見えるのだが・・・、眼下近く向こう側にゴルフ場が見えた。












































 寺の地図



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