錦織寺 (きんしょくじ)     浄土真宗木辺派本山 
  

    滋賀県野洲市木部826   







琵琶湖へと流れる野洲川はその源を甲賀の山々から始まる。水口、石部から野洲へ東近江の平野を潤してきたことであろう。肥沃な土地をもつこの辺りは重要な交通の要所でもあったはずである。
関東から帰路の親鸞もこの土地で逗留し教化に努めたという。

後年、天女が蓮の糸で織りなした紫紅の錦を捧げて仏徳を賛美するという不思議なことがあって、伝え聞いた時の四條天皇は『天神護法 錦織之寺』の寺号と額を賜ったという錦織寺であるが、その元をたどれば、比叡山三代座主慈覚大師円仁が、この木部の地に御堂を建て毘沙門天像を安置されたのが始まりという。

後、親鸞聖人が関東から京へ還ろうとした途中、この天安堂に立ち寄られ阿弥陀像を安置し、浄土真宗の教えを説かれたという。以来、浄土真宗の湖東における中心となり木辺派本山としている。

あいにくとこの日は今にも雨が降り出しそうな曇天であった。寒さも一段落して春を迎える前の雨もやっと上がり、残り香を漂わす梅の花も心なしか弱弱しく咲いてはいるものの、それは落花する様子でもあるようであった。こうした自然の中で常住ではないことに気付かされているのだ。

表門から歩を進めていると、御影堂が目に入ってくる。本山というからその威風は感じられる。真宗十派の一つ木辺派本山にあたる。渡り廊下で続く阿弥陀堂、そして毘沙門堂(天安堂)を配し堂々と構えている。御影堂の欄間は耳にしていた以上の絢爛さを誇り、その繊細な美しさに時間を忘れる。










































 寺の地図
http://map.goo.ne.jp/map.php?MAP=E136.1.41.950N35.5.46.160 です。


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