東名阪高速桑名ICと名神高速大垣ICを走る国道258号線のほぼ中間、南濃町の山腹に行基寺はある。一帯はみかん栽培が多く晩秋ともなるとその黄色い果実がたわわに実り、時に悪戯な猿が辺りをうろうろと歩いていたりしております。
行基寺は今をさかのぼること役千二百年前天平の頃、聖武天皇勅願により僧行基により美濃・尾張・伊勢の三国守護霊山として七堂伽藍を配して建立されたという。行基は東大寺勧進に尽くした僧で、近畿を中心に精力的に仏教流布と寺院建立に尽くされております。 なほ、行基は八十二歳をもってこの地に入寂せられ、行基塚には今も七重石塔を残しております。(あいにくと近年は真影堂より山中に入れず、これらは拝観できませんでした。) 寺格は高く、尾張藩大納言徳川義直公近親、徳川家康の曾孫松平摂津守源義行公がこの地の藩主として封ぜられた折、当山を菩提寺として境内および伽藍を改築して、城郭に擬して再興されたという。今でも隠れ城様な風格を漂わせている。 行基寺での見所は書院から眺める庭園ではないだろうか。美濃・尾張を一望する遠大な借景に、書院での静寂は何よりではないだろうか。回廊式庭園とはなっているが…、実際には書院から出ることは許されない。 松やサツキなどを配して、全体に飛び石を敷き詰めてあるが無学な小生には何を表現されているのかわからなかった。禅宗風なのか、浄土風なのか・・・。あるとすれば武家風な設えであろうか? |