大恩寺  (だいおんじ)  御津山 大恩寺  浄土宗 
  

 愛知県豊川市御津町広石御津山5   








国道23号線も蒲郡を過ぎて、右に三河湾の海を見ながら走るのだが、ふっと反対側を眺めると湾を包むように山々がせり出して見える。それ程高くもないのだがそれは尾張と確実に違った景色でもある。手前にこの地方では有名な三ヶ根山があり、ここは三河であると云わんばかりにデンと居座っているが、そのすそ野の末端とでもいうように御津山がある。

国道に並行して新幹線が走っている。乗客からは唯一眼下に三河湾のキラキラした光が見えるところでもあるのだが、一般道を走って里山というには定かではないにしろ山郷や町並み、田畑など自然の中にいたりすると、もうこれは断裂の何ものでもないのだが・・・。私の好きな近江平野でも同様な景色を見るが、いつも閉塞した気分になる。

大恩寺は本来三論宗浄光院といい開基は百済の僧恵灌というから歴史古いてらであるはず、五百五十年前浄土宗新宮山大運寺と改宗し紫衣や後土御門天皇勅願所の綸胸旨を受け歴代知恩院管長を輩出するほどだったという。

江戸期、岡崎城主松平広忠公の代になって浄土真院御津山大恩寺と改称したという。松平家・徳川家に大恩ある寺という意味からである。

以後、牛久保牧野家(豊川辺りの武家)の菩提所としても栄え、寺域には徳川、戸田、岩瀬、菅沼、旗本、柴田など武家氏族の墓などあり、由緒の深さをも物語っている。


境内は総門、山門、本堂、方丈、庫裏など浄土宗様式を形成しており、特に山門は1672年建立、現在県の指定文化財となっている。三間一戸の重層門で屋根は本瓦葺、入母屋造で禅宗様を基調としている。県内の重層門は岡崎市の大樹寺、名古屋市の建中寺など極めて少ないとおもわれる。

お庫裏さんらしき方に言って本堂に入らせていただくことにした。盆明けということあってか、或いは真夏ということなのからだろうか、誰もいない。閉切っていた本堂内、静寂と薫香の中、本陣正面の阿弥陀仏に手を合わせた。私はこうした静けさが体の隅々まで浸っていくのを感じるときが浄土にいると思えてきた。

大恩寺横から御津山に上っていくと展望台公園がある、綺麗に整備され、展望台に登ると360度見渡せるのだが、しかし、戦時中ここは砲台でもあったという悲しい歴史の場所でもある。終戦記念日であるのに戦没者慰霊の石碑の前には誰もいない・・・。見晴らしの利く木陰のもと、数家族がバーベキューをしたり楽しく食事していた。






































































































大恩寺のホームページは

http://www.daionji.or.jp/です。

 寺の地図
http://map.goo.ne.jp/map.php?MAP=E137.18.52.920N34.49.1.760&ZM=9&from=mapb


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