安楽寺

近江長浜市の市街地から国道八号線から口分田口から大きく左へ曲がり、神照小学校辺りからまた右へと屈曲して新しい国道ともなっている。曽根南の交差点を左折すると程なく右手に大きな寺の看板が目にはいてくる。
周りを田園風景に囲まれてのどかな一帯の中にポツンと佇む格好で、松林の真っ直ぐに並ぶ参道がさも禅宗寺院の様相をみせてはいた。

車止めから山門にまっすぐと手入れのいきとどいた敷石が続く。周囲を見回すと、数日前にも田植えが終わったばかりというほどに水が引いてあった。姉川の水はこうして近江の米どころを潤しているのである。伊吹山裾からの水は琵琶湖へと流れるのだがかつて暴れ川という姉川も今は水量も少なく所々に流れを見るだけでもあった。そして戦国の世には血なまぐさい戦が繰り広げられて、なんびとの血が流れたのだろうか？

姉川河口の洲が広がる南浜はすぐ近くにある。対岸に高島比良山を眺める風光明媚なｔ頃でもあったのだろう、かって藤原不比等の別荘地であった場所に鎌倉中期安楽精舎を建立したのが始まりという。

琵琶湖も今は水位も低く、古墳・貝塚などみれば西近江では二・三百㍍は現在より陸地側に湖岸はあったのであろう。別荘地として湖岸近くにあったのも不思議ではない。